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Made in Chine 2025という言葉をご存知でしょうか。これは中国政府が発表した政策のことで、2025年までにロボティクス、電動自動車、コンピューターチップなどを重点に置き、グローバルのトップになることを目標にしたものです。2020年は新型コロナウイルイスで大きな課題を抱える中国ですが、このスローガンに向かってテクノロジー大国へと着実に進化しています。

今回は、そんな中国のIT改革を支える学びのプラットフォームをお伝えします。


エンジニアのためのプラットフォーム「テンセント大学」

まず、今の中国は世界のなかでどんな位置にいるのでしょうか。実際、BrandZ™から発表された2019年の世界トップ100ブランドのなかで中国企業を抜粋した次の表を見てください。

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世界トップブランド100に入っている中国企業のうちほとんどが「テクノロジー」に分類されるIT新興企業であることが分かります。またリストからも分かるように、アプリの「WeChat」やモバイル決済「WeChat Pay」で有名なテンセント(Tencent)が堂々の第8位にランクインしています。

The 2019 BrandZ™ Top 100 Most Valuable Global Brands ranking featured 15 Chinese brands including Haier, marking the first time that the company appeared in the rankings. (Graphic: Business Wire)(引用:BrandZ Top Global Brands


中国で需要が増すIT業界において、人材育成・教育は大きな課題です。

そこで大手テンセント(Tencent)はコーディング・3Dモデリングなどのオンライン講座が受講できる「腾讯课堂」(訳すと、テンセント大学の意)を提供しています。

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(引用:腾讯课堂

プラットフォーム上では、エンジニアリングやデザインに必要なPhotoshop、Indesign、Illustrator、CAD、UGなどのモジュール学習教材が有償提供されています。

このプラットフォームで、多くの学習者が自主的にエンジニアリングの学習をしています。これは都市部・地方の学習者にも平等にIT業界に足を踏み入れるきっかけを与える貴重な機会になっています。

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(引用:9SUG.COM)


UG学習者から生まれた「設計図を一瞬で3Dにするアプリ」

このような「学習プラットフォーム」が広く人々に行き渡った結果、中国では新興ITベンチャーの活躍につながっているとも言われています。

中国のベンチャーが開発した3Dスキャンアプリが話題を集めているのでご紹介します。

このアプリを紙の設計書にかざすだけで、みるみるうちに「完成形」の部品が3Dで浮き上がるような仕組みになっています。

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(引用:TikTok @UG大课堂)

アプリを使うことで内部構造が複雑なコネクタ等も製造の前段階からその完成形を知ることができ、開発プロセスの短縮やミスの減少などにも役立つと言われています。

また、このような手法は設計プロセスをデータ化し、効率的な開発を目指すModel-based Design(MBD)にも役立つ機能であるという観点からも注目されているのです。

これからもハードウェア・ソフトウェアともに画期的な開発が進んでいく中国市場の成長、そしてそれを支える学習プラットフォームからますます目が離せません。